『心筋梗塞は一大事!』 健康メモより
心臓に酸素と栄養を送っている冠動脈という血管が血栓で閉塞すると、心臓の筋肉は壊死を起こします。
これが心筋梗塞です。健康な血管ではこのような事は絶対に起きません。

動脈硬化のためにアテローム(血管の傷ついた部位に出来るかさぶたのようなもの)が形成され、血管が狭くなった場所に血栓が出来るのです。

死亡率は20~30% で大変怖い病気です。死亡の原因は不整脈、心破裂、心不全などです。
症状は、胸の中央から左側へかけての締め付けられるような強い痛みで、頚部、顎や左上肢に放散することもあります(糖尿病の患者さん等では痛みを感じない場合もあり)。顔が真っ青になったり、冷や汗が出たりすることも多いです。

狭心症の特効薬であるニトログリセリンを舌下してもおさまりません。
典型的な症状があり、心電図で特有の変化を認めれば、診断は難しくありません。

この病気は初期治療が肝腎なので、救急車を要請し、CCU(冠動脈疾患集中治療室)に入院するのがベストです。
治療は血管を再開通させることを目指します。
このため、血栓を溶解する薬を点滴します(血栓溶解療法)。あるいは冠動脈を造影し、閉塞した部位でバルーン(風船)をふくらませ血栓を押しつぶして血流を得る方法(冠動脈形成術)もあります。

重症の際は時として心臓外科医により、閉塞した場所より先に大動脈から血管をつなぐバイパス手術が行なわれます。
心筋梗塞の危険因子は、高脂血症、喫煙、高血圧症、糖尿病、肥満、運動不足、ストレスなどです。
生活習慣が大きな影響を与えます。恐い恐い心筋梗塞にならないために、今一度あなたの生活を見直してみましょう。


茨木市医師会 西尾医院 西尾正士