『椎間板ヘルニア』 健康メモより
背骨は、ブロック状の骨が積み重なってできています。

背骨が動くためと脳に直接衝撃が加わらないために、骨と骨との間に椎間板といわれるゼリー状のものがはさまっています。

椎間板ヘルニアは、このゼリー状の袋が破れて神経を圧迫し、痛みやシビレを引き起こす病気です。
最近、MRIという高性能の機械が普及し、さまざまな人の状態を調べていくうちに今までの腰痛の常識とは異なり、ゼリーの突出が大きくても痛みやシビレが少ない人もいれば、ほんの少しの突出で強い痛みやシビレを感じる人もいることがわかりました。
また、神経の血流の研究では、痛みやシビレの強い患者さんの神経の血流状態が悪くなっていることも明らかになってきています。

恐らく痛みが強い人は、ゼリーが神経を圧迫し、痛みが生じるとその痛みと恐怖のために血管が縮みます。
そうすると、血の流れが悪くなることから、神経の栄養状態が悪くなり、さらに痛みが増すのではないかと考えられています。

一方、椎間板ヘルニアは、痛みは強いかもしれませんが、死ぬ病気ではありません。
まず、安心することが大事です。安心することで血流が良くなるからです。
また、自分にとって楽な姿勢で横になり休むことです。一~二週間で痛みは軽くなってきますから、無理をしないことが一番大切です。
椎間板ヘルニアの痛みとシビレの予防としては、日ごろから神経に良いといわれているビタミン等を摂取し、また、腰を冷やさないように心がけて神経の血行を良くしておくことも大事です。
(2000.2)


茨木市医師会 高島 孝之